動悸とは
心臓のドキドキという拍動を感じられる状態であり、心拍が遅い徐脈、速い頻脈、心拍が大きい・強いと感じる、脈が飛んだり乱れたりするなどがあります。脈の飛びや乱れがある場合、不整脈が疑われます。また、頻脈や徐脈の場合も不整脈の可能性があります。不整脈は深刻な疾患だけでなく、健康でも生じることがあります。動悸に気付いたら早めに受診して、重大な発作を起こす可能性がないかをしっかり確かめましょう。
動悸の原因
動悸は何らかの疾患が隠れている可能性もありますが、疲労や睡眠不足、ストレスなど、日常的な原因で生じる自律神経の異常であることもあります。薬の副作用、脱水症状、飲酒などでも起こります。動悸で受診される際に、普段服薬している薬がある場合にはお薬手帳などを必ずお持ちください。
不整脈
心拍数には個人差がありますが、安静時には1分間に50~90程度が目安になっています。頻脈では1分間に150くらい打つことがあり、疑われる疾患には発作性上室性頻拍があります。頻脈にふらつきや失神を伴う場合は緊急受診が必要です。他の症状がない場合も、頻脈は心臓に大きな負担をかけます。長時間続いたり、頻発したりする場合は、当院までご相談ください。
なお、頻脈性の疾患の中で、頻脈と脈が乱れる場合、発作性心房細動が疑われ、早期の受診が必要です。心房細動を起こすと血栓ができやすく、脳虚血発作または脳梗塞を起こすリスクが高くなってしまいます。高血圧、睡眠時無呼吸症候群がある場合、心房細動を起こしやすいので注意が必要です。
不整脈以外の疾患
心筋梗塞や狭心症といった虚血性心疾患の症状として動悸が起こることもあります。胸痛が伴うケースが多く、速やかに適切な治療を受ける必要があります。
動悸は呼吸器疾患によって生じることもあり、肺の血管が詰まるエコノミークラス症候群(肺塞栓症)は救急受診が必要な疾患です。呼吸困難を伴う場合は救急受診してください。なお、主に喫煙によって酸素を取り込む肺胞が破壊される慢性閉塞性肺疾患や貧血、更年期障害、バセドウ病などの甲状腺機能亢進症でも動悸が生じることがあります。息切れやめまいを伴う場合は貧血やホットフラッシュなどがあれば更年期障害、手の震えや体重減少などがあれば甲状腺機能亢進症が疑われますが、実際には血液検査などをしないと正確な診断はできません。心臓への負担がかかっている状態であり、深刻な疾患が隠れている場合もあります。お早めにご相談ください。
動悸の種類
脈が飛ぶ・乱れる
心臓は規則正しい電気信号を受けて拍動していますが、本来のタイミングよりもやや速く電気信号が送られてしまい、次の脈が本来のリズムで打つとその間に長い間ができて脈が飛んでいるように感じられます。不整脈の1種である期外収縮によって生じることが多く、これは健康も起こることがあります。心配のないケースも多いのですが、心臓に負担がかかり、治療が必要なこともあります。脈が飛ぶ、乱れるような症状がある場合は、当院までご相談ください。
心拍が遅い徐脈
洞不全症候群や房室ブロックなどによって徐脈が起こっている場合はペースメーカーの装着が必要なケースもあります。なお、特に心配がなく経過観察で大丈夫な場合もあります。
動悸の検査
動悸がある場合、検査としては、心電図やホルター心電図、血液検査、心臓超音波検査などで同期の原因を調べます。
動悸を感じた際には下記のことをチェックしましょう
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動悸を感じるきっかけまたは原因
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動悸の症状の具体的な内容と持続時間
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動悸の性状(急にはじまって終わる・徐々にはじまって少しずつおさまるなど)
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脈拍数
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脈拍の規則性の有無
など
脈の測り方(自己検脈)
脈の測り方を覚えておくと、「おかしい」と感じた際にチェックできます。
- 手首の親指に近い側で測ります。
- 手首関節の少し下、指でそっと触れるとヒクヒクとした動きを感じる場所があります。
- その部分に、反対の手の人差し指・中指・薬指を揃えてそっと当て、1分間の脈拍を数えます。
- 何度が行って感覚をつかんでおけば、いつでも脈拍を確かめることができます。
運動や入浴、緊張、発熱、安静、リラックスなどで脈拍は変化します。
安静時の脈拍を何度か測っておくと、異常があった際に気付きやすくなります。